日本看護科学会誌
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生後6週間の正常児の睡眠・覚醒と足底皮膚温
江藤 宏美
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1998 年 18 巻 3 号 p. 67-75

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抄録

産褥期の養育者, 特に母親にとっては, 子どもとの生活リズムの調整が大きな課題となる. 本研究の目的は, 生後6週間の正常児の睡眠・覚醒状態を明らかにし, 入眠潜時の生理的な変化として足底皮膚温の変化を捉えることである. 対象は16名の正常児で, 生後2, 4, 6週目の3時点に家庭訪問をして, 児の生理的・行動状態を連続して観察し, 以下の結果が得られた.
1. 授乳サイクル (授乳開始から次の授乳を開始する前までの時間) を概観し, ひじょうにぐっすり眠る型から, 眠らない型の4つのパターンに分類できた. 授乳サイクルの平均時間は, ぐっすり眠るパターンの方が次の授乳までの間隔は有意に長くなっていた.
2. 睡眠パターンと入眠潜時における皮膚温の変化は, ぐっすり眠ったパターンを示す群では, 眠りにつくまでに皮膚温が有意に上昇し, 眠らなかったパターンでは皮膚温が下降していた.
母親にとって, この皮膚温の上昇が, 新生児の授乳に関連した行動の予測の一助となりうるのではないかと示唆された.

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