日本看護科学会誌
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脳卒中後遺症をもつ患者の退院・転院後6ヵ月時点での自宅復帰に関連する要因
石川 りみ子崎原 盛造
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1998 年 18 巻 1 号 p. 11-19

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抄録

脳卒中発作のために公立の総合病院に入院し, 運動機能障害のためリハビリテーション治療を受けていた脳卒中後遺症をもつ患者94人の, 退院・転院後6ヵ月時点での自宅復帰に関連する要因を明らかにするため, ロジスティック回帰分析によって分析した結果, 以下の知見が得られた.
1) 自宅復帰に関連の強い要因は, (1)70歳未満, (2)同居者数が3人以上, (3)退院時BI点が高い, (4)入院日数が短いの4項目であり, これら4つの要因がすべて充たされた場合, 自宅復帰の可能性が非常に高くなる.
2) しかし, 以上の4要因をすべて充たしてなくても, ADLが高い場合には, 独居でも自宅復帰の可能性は高くなる.
3) さらに, 退院時BI点が低くても, 年齢が若く, 入院日数が短い場合には自宅復帰の可能性は高い.

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