近年看護業務の増加に伴い, 看護婦の精神的負担度は増加している. 2年間の看護婦の精神的健康に関して追跡調査をした.
対象者は当院 (満床110床) で3年以上の勤務歴のある看護婦で精神的健康状態を追跡調査のできた40名 (25~57歳) である. 精神的健康状態は質問紙法GHQ (GeneralHealth Questionnaire) 60項目を用い自己評価してもらった.
初年度, 2年後のGHQ全得点の相関はy=0.78x+4.75, r=0.744, P=0.0001と非常によい再現性が認められた. 初年度, 2年後のGHQ全得点および4因子 (身体的症状, 不安と不眠, 社会的活動障害, うつ状態) の比較では各部署ともに有意の変化はみられなかった. また, 初年度のGHQ全得点の平均では有意差が認められなかったものの, 2年後のGHQ全得点の平均の比較では, 外科系勤務看護婦では, 内科系及び老人病棟勤務看護婦よりも有意に得点が高かった (p<0.05). さらに, 外科系勤務看護婦では, 内科系及び老人病棟勤務看護婦よりも初年度の社会的活動障害, 2年後の不安と不眠, 社会的活動障害, うつ状態が有意に得点が高かった (p<0.05).
外科系勤務看護婦では精神的健康が障害されている傾向にあり, 今後看護業務などとの関連について検討していく必要がある.