2023 年 43 巻 p. 820-830
目的:慢性疾患をもつ小児・思春期の子ども対象にPhoto elicitationを用いた文献を概観し,研究手法の利点と実施上の留意点を明らかにする.
方法:JBI Manual for Evidence Synthesisに則って,スコーピングレビューを行った.文献は,CINAHL,PubMed,CiNii,医中誌Webにて検索した.
結果:9編が抽出された.Photo elicitationは,病気とともに生きる子どもの経験を理解・洞察するために用いられており,子どもの記憶を刺激し鮮明にすることができる等の利点があった.9編のうち,子どもが撮影した写真を用いた文献は7編であり,撮影してほしい写真の内容や撮影枚数,撮影時の留意点等について子どもに説明をしていた.
結論:Photo elicitationは有用な研究手法であるが,肖像権やプライバシーの保護に留意が必要である.