地質学雑誌
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85., パラオ群島の始新統産の Eomontipora? に就いて
矢部 長克杉山 敏郎
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1939 年 46 巻 548 号 p. 258-260

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抄録

最近遠藤誠道理學士によってパラオ群島のバベルダオブ島の東海岸に發逹する集塊岩中の石灰岩(始新統?)から興味ある造礁硼瑚の標本が齎らせられた。研鏡の結果 GREGORY が嘗て Honduras の下部白堊紀石灰岩から報告した Eomontipora に同定出來る樣である。尤もパラオ種には珊瑚體に床板があるが Honduras種には之が無いので正確な同定には多少疑問がないでもない。併し後者の標本は前者のに比較して保存不良で或は床板があつたのが保存されなかつたのではなからうかと云ふ疑問が起つて來る。同屬に同定される別種が New Guinea の始新統からも産出することを GREGORY は指摘してゐるが, 之はEomontiporaとは異った内部構造を示し同氏が最初述べた樣に Montipora に入れべきであらう。斯樣に極めて類似の構造を示し恐らくは同一屬に入るのではなからうかと考へられる造礁珊瑚が一方は大西洋の下部白堊紀層から他方は太平洋の始新統(?)から産することは興味ある事實である。

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