地質学雑誌
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論説
兵庫県南東部, 六甲山地の白亜紀後期花崗岩類の岩体・岩相区分と火成活動史
新井 敏夫田結庄 良昭
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2004 年 110 巻 8 号 p. 452-462

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抄録

兵庫県南東部に位置する六甲山地に分布する白亜紀後期花崗岩類の岩相区分と岩石記載を行った. これらの花崗岩類は, 布引花崗閃緑岩, 八幡谷花崗岩, 土橋石英閃緑岩, 六甲花崗岩に区分される. このうち, 布引花崗閃緑岩はその岩相により, 斑状相と等粒状相の2つの岩相に区分される. また, 六甲花崗岩類は, 中~粗粒相, 細粒相, 微文象相の3つの岩相に区分される. 六甲花崗岩は, 細粒相が岩体上部に, 中~粗粒相が岩体中, 下部に分布しており, 垂直的な岩相変化を示す. さらに, 六甲花崗岩の岩体の上部ではSiO2やK2Oに富み, 下部はTiO2, MgO, CaOに富むなど, 化学組成も垂直方向に変化する.

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© 2004 日本地質学会
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