2001 年 107 巻 6 号 p. 359-378
北海道の夕張-芦別地域に分布する最上部ジュラ系~下部白亜紀の空知層群は, ピクライトおよび安山岩質からデイサイト質の火山砕屑岩類を主体とし, 大陸地殻起源のアルコース質砂岩を伴う.これに整合に累重する白亜系蝦夷層群は, 陸源の砂岩・泥岩からなり, 石灰岩ブロックを含むオリストストロームと珪長質凝灰質砂岩層の2つの特徴的な堆積物を挟在する.空知層群下部は, 従来, 無斑晶質の玄武岩が卓越するとされてきたが, 本地域では全てピクライトで, それに安山岩質とデイサイト質の火山砕屑岩, アルコース質砂岩を挟在する.また, 空知層群は深海底の堆積物とされていたが, ウーライト石灰岩を伴うことから堆積場の一部は浅海域であったことが示唆される.