体育学研究
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集団相互の類似性と特殊性について : 大学運動部集団相互間における類似性と相関関係の検討
松浦 義行
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1973 年 18 巻 2 号 p. 91-101

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抄録

集団相互間の類似性を考えるため, 変量空間を成分空間でおきかえ, この直交成分空間における集団の代表点を集団成員の成分スコアーの平均値ベクターであらわし, この集団代表点間の距離を手がかりとして集団相互間の類似性を評価する係数の工夫を試みた. 一方, 従来の人間相互間相関係数の批判より, 成分空間を利用して集団相互相関係数をピアソンの考え方を拡張して求め, さらに, この係数をもって集団相互間の類似性を評価するより, 距離をもってするほうがより適切である事を論じた. ついで, ここで導出された理論を大学運動部7集団に, 体格変数19項目を手がかりとして適用し, 集団相互の類似性, 特殊性を検討した. この検討をより直観的に行うため, 2次元成分空間を9次元変量空間に近似させ, 類似性, 特殊性の量的評価と直観的評価の無矛盾性について検討を加えた. この論文は集団相互相関係数, 類似性係数, 特殊性係数の新しい概念と算出の提案を含んでいる.

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© 1973 一般社団法人 日本体育学会
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