口腔病学会雑誌
Online ISSN : 1884-5185
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口腔外科領域におけるKetophenylbutazone (Ketazon) の使用経験
大橋 靖石橋 利文大畑 直暉富山 文雄清水 正嗣上野 正
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1969 年 36 巻 4 号 p. 320-325

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抄録

口腔外科領域炎症性疾患に対し抗炎症作用を目的としてphenylbutazoneの誘導体であるKetophenylbutazone (Ketazon) を投与し, 以下の結果を得た。
1) 19名 (男7名, 女12名) の対象症例を炎症群 (11例) と手術後投与群 (8例) の2群に大別した。炎症群では顎関節症が7例で最も多い。手術後投与群はすべて口腔外科外来小手術後に投与したものである。
2) 効果は, 顎関節症では著明な効果を得ることが出来なかったが, 急性化膿性炎症々例, 手術後投与群では著明な効果を誌めた。
3) 副作用: 胃部不快感1例, 眩暈1例計2例。
以上の結果より, 本剤は急性炎に対する抗炎症効果, 手術後の抗腫脹, 鎮痛の効果は充分に認められたが顎関節症に対する対症療法としての効果は, 今後さらに症例を追加して検討することが必要と思われた。

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