雪氷
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2014年2月の大雪によって山梨県の早川周辺で発生した雪崩の特徴
秋山 一弥関口 辰夫池田 慎二
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2015 年 77 巻 1 号 p. 47-57

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抄録

2014年(平成26年)2月14日から15日にかけて関東甲信地方では記録的な大雪となり,山梨県では県内全域で大雪となって各地で雪崩が発生した.山梨県の早川町を流れる早川の周辺では,2月22日にヘリコプターによる上空からの調査で雪崩の発生状況を確認して,3月19日に地上から調査を行った結果,雪崩は発生区が不明瞭なものを含めて80箇所で発生し,雪崩の種類は表層雪崩が23個,全層雪崩が57個であった.雪崩の発生区から堆積区までが明瞭な60個の雪崩は,落葉樹林や崩壊地から発生して沢状や凹型の地形を流下していて,到達距離は最大で表層雪崩が500m,全層雪崩が700m 程度であり,雪崩の発生区の勾配は35〜50度であった.直接見通し角は34度を下回る雪崩はなく角度が急であり,この大雪によって早川周辺で発生した雪崩の特徴を表していると考えられる.

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© 2015 公益社団法人 日本雪氷学会
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