雪氷
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北海道全域の吹きだまり量分布の推定
福澤 義文加治屋 安彦小林 利章苫米地 司
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2000 年 62 巻 3 号 p. 291-300

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抄録

冬期道路の視程障害や吹きだまり対策施設の適正規模を検討する場合, その地域の吹きだまり量が考慮される.しかし, 北海道を網羅するような吹きだまり分布に関する研究は行われていない.そこで北海道全域の30年確率1kmメッシュ吹きだまり量の推定手法の開発と, その分布図を作成した.まず, 北海道の冬期間に注目して, 主成分分析により日本海側地域, 道南・日高山系以西, オホーツク海側・道東地方の3ブロックに分割し, 各ブロック毎に風速と気温, 累計降雪深, それに吹きだまり量との関係で重回帰式を作成した.さらに気象要素は周辺地形の影響を強く受けることから, 国土地理情報の標準メッシュデータから作成した地形因子を説明変数とする重回帰分析を行い任意の未観測地点の気象要素を推定し, 北海道全域の30年確率吹きだまり量の1kmメッシュ値を算出した.過去に得られた観測データと推定吹きだまり量を検証した結果, 実用レベルの精度を有していることが示された.

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© 公益社団法人 日本雪氷学会
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