栄養学雑誌
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幼児期から青年期までの給食における脂溶性成分, 食物繊維, ミネラルの給与の実態に関する調査
岡田 玲子太田 優子小池 雅子笠原 里子小林 由美子鈴木 圭子原 ヒトミ渡辺 久美子角田 京子永川 美恵子
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1992 年 50 巻 5 号 p. 293-301

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抄録

新潟市内の保育所, 小・中学校, 高校寮及び大学寮の各給食における, 動脈硬化予防の視点から重視される脂溶性成分, 食物繊維, ミネラルの給与の実態について検討した。1990年1月から3月までに実施された連続30日間または25日間の給食献立について解析を試み, 次のような結果を得た。
1) 各給食における脂肪エネルギー比は21.5~29.4%の範囲にあった。
2) 給与脂肪酸のバランスは, 保育所給食ではP/S 1.57, n-6/n-3 4.4, 小・中学校給食ではP/S 0.64・0.71, n-6/n-3 6.8・7.1, 高校 (女子)・大学 (男子) 寮給食では, P/S 1.06・1.79, n-6/n-3 6.0・5.8であった。E/PUFAは0.45~0.71であった。給与コレステロール量は, 保育所給食で81mg, 小・中学校給食で91mg・107mg, 高校 (女子)・大学 (男子) 寮給食で343mg・240mgであった。
3) 食物繊維給与量は, 保育所給食で5.0g, 小・中学校給食で6.1g・7.3g, 高校 (女子) ら大学 (男子) 寮給食で16.3g・15.1gであった。
4) 給与ミネラルのバランスは, 保育所給食から大学寮給食まで, 給食対象の年齢増加に伴い, Ca/Mgが6.87から1.40へ漸減, Na/Kが0.90から1.80へ漸増していた。給与エネルギー当たりの食塩給与量は, 大学寮給食のやや多量を除き, いずれも成人の目標摂取量の範囲にあった。

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