Skin Cancer
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放射線と化学療法の併用で縮小した巨大な臀部有棘細胞癌
岩下 宣彦山下 範子清水 宏和渡辺 大輔玉田 康彦松本 義也河村 敏紀西堀 公冶
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2008 年 23 巻 2 号 p. 134-137

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抄録

皮膚の有棘細胞癌には様々な発生母地があり, 臀部慢性膿皮症 (chronic perianal pyoderma) もその一つである。今回我々は, 約30年以上の長期にわたり臀部慢性膿皮症に罹患した患者より発症した有棘細胞癌の症例を経験した。術前に右臀部の巨大な充実性腫瘍に対して, リニアック電子線を56Gy照射しシスプラチン/5-FUによる化学療法を2クール併用したところ, 腫瘍の著明な縮小を認めた。自験例において, 術前の化学療法および放射線照射の併用は, 肛門を温存する縮小手術を可能にし, 手術侵襲の軽減に有用であった。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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