2020 年 72 巻 3 号 p. 183-192
人口減少・少子高齢化が進行する中,交流人口拡大への期待が高まっている。仙台市は,人口約109万人を有する東北の中枢都市であり一定の知名度と魅力を有しているが,国内外から広く観光客を集められる都市とはなっていない。来訪者の主目的を見ると,歴史や自然,食といった観光資源を目的とするものとビジネスやショッピング,文化やスポーツなどの都市機能を目的とするものに分けられるが,東北域内と域外の居住者の間には差がある。また,宿泊者の居住地が近隣に偏っているという課題もある。今後,さらなる交流人口の拡大を図っていくためには,新たな市場に魅力を発信していくとともに,より長く滞在させるための工夫をする必要がある。