音声言語医学
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失語症のタイプ・重症度と年齢・性
福迫 陽子物井 寿子
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1984 年 25 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

失語症のタイプ・重症度と年齢・性との関係を, 585例の失語症患者 (主として脳血管障害に起因する) について検討し, 以下の知見を得た.
第1に, 失語タイプと年齢との間には明確な関係が認められた.すなわち, まずタイプにより平均年齢は有意に異なること, つぎにタイプ別出現率は加齢とともに変化すること, 最後にタイプの各年齢における“正規化された出現率”は, 加齢と関係が認められるタイプと, そうでないタイプがあること, であった.
第2に, 性別によって失語症のタイプ別出現率は異なること, およびブローカ失語とウエルニッケ失語の年齢差は男性においてのみ認められること, が明らかとなった.
第3に, 失語症の重症度は全体的には加齢とともに増すこと, および年齢によって重症度に差異が認められるタイプとそうでないタイプがあること, がわかった.

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