頭頸部外科
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原著
当科における喉頭・気管・食道の合併切除を要した甲状腺癌症例の検討
山﨑 一樹花澤 豊行大木 雄示櫻井 利興國井 直樹米倉 修二茶薗 英明櫻井 大樹岡本 美孝
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2018 年 28 巻 2 号 p. 121-126

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抄録

2008年から2016年の間に当科で治療した甲状腺癌症例は219症例であった。喉頭,気管および食道のいずれかに浸潤し,合併切除を要した24症例のうち,再発症例,未分化癌症例,CASTLE症例を除いた13症例の検討を行った。浸潤部位の内訳は気管のみの浸潤が4例,気管と輪状軟骨浸潤が5例,気管と食道浸潤が1例,気管,輪状軟骨と甲状軟骨浸潤が3例であった。
3年粗生存率は72.5%であった。再発症例は5例存在し,再発形式はそれぞれ,遠隔転移が3例,健側リンパ節再発が1例,局所再発が1例であった。
局所再発症例は切除マージン不足による再発が考えられた。腫瘍切除に際して,断端陰性と顕微鏡的断端陽性症例との間の局所再発に差はないとする報告もあるが,Ex2と判断された場合には,局所再発を回避するために周囲臓器の切除の際には十分な切除マージンが必要であると考える。切除範囲は,術中迅速病理診断や術後のQOL,年齢や併存疾患,術前の嚥下機能,家族背景および予後も考慮して慎重に決定されなければならない。

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