2012 年 22 巻 2 号 p. 149-153
進行上顎洞癌10例に対してSeldinger法による超選択的動注併用放射線化学療法を施行後に手術を行い,集学的治療の治療成績,有害事象などについて検討した。全症例の5年生存率は66%,5年疾患特異的生存率は75%であった。機能温存では眼球温存率は100%であった。有害事象では好中球減少と粘膜炎が主体であった。晩期障害として2例に放射線性骨髄炎を認めた。本治療は治療成績や臓器温存に対して良好な成績を得られると考えた。しかし,顎骨壊死も認められ,晩期障害の発生について考慮して行う必要があると考えた。