1992 年 2 巻 p. 147-153
頸部リンパ節転移癌に対する画像検査の有用性を検討した。対象はCTおよびMRI検査を施行した上で頸部郭清術を行った頭頸部癌51症例である。触診・CT・MRIにおいて認められた10mm以上のリンパ節を転移陽性とした(CTでは大きさにかかわらず中心に低吸収域を持つリンパ節も陽性とした)。いずれの検査においても70%前後の正診率であったが,CT検査では偽陽性率が高く,MRI検査では偽陰性性率が低い傾向にあった。両者の検査を比較した場合,MRI検査の有用性が高いことが示唆された。さらに触診上N(-)の症例における予防的頸部郭清術の適応の決定に,MRI検査が補助診断として有用であることが示唆された。