日本観光学会誌
Online ISSN : 2436-7133
Print ISSN : 1341-8270
大学内NGOボランティア活動プログラム参加者への最適支援奨学金額 ─学習院大学 DISSOLVA 2012 ボルネオプロジェクトとボランティア・ツーリズムの可能性─
野呂 純一
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2015 年 56 巻 p. 17-27

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抄録

 本研究では、近年、観光学の分野において注目を集めつつある「ボランティア・ツーリズム」の一形態である「大 学内NGOボランティア活動プログラム(UNGOVP)」の範疇に属する「学習院大学海外協力研修プログラム DISSOLVA 2012 ボルネオプロジェクト」の開催説明会で同プログラムへの参加を検討している学生に対して実施 したアンケートの回答を用いて、「需要者集積の外部経済性が需要水準に及ぼす効果」を明示的に織り込んだ需要 曲面を推定し、続いて限界社会便益曲線、同じく同需要曲面から得られる準導出需要曲線より導出需要曲線を求 める。併せてUNGOVPの価格曲線から限界社会費用曲線を求め、これら 4 曲線の位置的相互関係を検討し、「参加 学生がUNGOVPという形のサービスを消費することにより生じる純消費者余剰」を最大化する最適参加学生数及 びUNGOVP参加支援奨学金の最適支給金額を、それぞれ求め、最後にボランティア活動プログラム参加支援奨学 金の導入がボランティア・ツーリズムの増加や観光産業の成長に寄与する可能性ついて検討する。

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© 2015 日本観光学会
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