1985 年 5 巻 2 号 p. 183-188
洞不全症候群8例についてaprindine (MS-5075) 100mg (以下A) 静注前後で電気生理学的検査を施行した。洞周期と最大洞結節回復時間は, A静注前後で有意な変化はみられなかった。洞房伝導時間は, A静注後有意に延長した。1例においてA静注後2対1洞房ブロックを, 他の1例で著明な洞停止をA静注後一過性に認めた。静注前に洞結節回復時間の延長している例においてはA静注後さらに延長する症例がみられた。房室伝導機能は静注前後で有意な変化はみられなかった。以上より, 洞不全症候群においては同剤の使用は慎重に行うべきであると考えられた。