サーキットテクノロジ
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プリント配線板設計自動化のための手書き状態遷移図の認識
久津輪 敏郎加藤 貴之長谷川 勝士吉田 武史山田 豊士小堀 研一江端 克彦
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1994 年 9 巻 1 号 p. 23-30

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抄録

近年, 各種のデジタルシステムを設計する場合, ASIC (特定用途向IC) あるいは特殊用途の配線板などユーザのニーズにあわせて設計製造する傾向があり, その用途および応用分野はきわめて広範囲にわたっている。一方, このような設計を行うにはかなりの知識と熟練技術が必要である。また, 設計の複雑化や開発期間, コストの増大から設計の自動化が強く望まれている。そこで著者らは, 小規模ながら実用的なシステムを目標に, 手書きの状態遷移図を利用し, 回路動作を視覚的にとらえて設計できるシステムを開発した。すなわち, この状態遷移図をイメージスキャナでコンピュータに取り込み, 円, 矢印, 文字の認識を行い, 最終的に状態遷移表などのデータとして出力する。文字の認識には階層型ニューラルネットワークを利用した。円, 矢印の認識は比較的容易に良い結果が得られたが, 多種類の文字の認識は高い認識率を得るのが困難である。そこで筆者らは状態遷移図に必要最小限の文字に限定することにより高い認識率を得ることができ, 実用化のめどをつけることができた。

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© 一般社団法人エレクトロニクス実装学会
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