2019 年 2 巻 1 号 p. 25-29
[目的] 本研究は腕振りの増大が,歩行の身体動揺を増大させるかを明らかにするため,腕の大振り歩行による身体動揺・体幹回旋角度の変化を検証した.[対象と方法] 健常成人22名を対象とした.正常歩行・大振り歩行・固定歩行の腕振りの大きさで異なる3条件で行った.10m歩行時の歩行速度・歩数を測定した後,歩行速度と歩数を統制したトレッドミル上にて,歩行時の身体動揺・体幹回旋角度を測定した. [結果] 大振り歩行が正常歩行よりも身体動揺と体幹回旋角度が増大し有意差を認めた.[結語] 腕振り指導は歩容改善に効果的だが,大きさによって身体動揺の増大につながることも示唆した.指導時には転倒の危険性のない腕の振りの大きさで指導が必要である.