日本看護学教育学会誌
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研究報告
看護基礎教育における批判的思考態度を測定する尺度の信頼性と妥当性の検討
常盤 文枝山口 乃生子大場 良子鈴木 玲子高橋 博美
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2010 年 20 巻 1 号 p. 63-72

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抄録

〔目的〕本研究は、看護基礎教育における批判的思考を支える態度を測定するための尺度開発の初期段階として、尺度作成およびその信頼性と妥当性を検討することを目的とする。

〔方法〕4年制大学で看護学を専攻している学生239名を対象に、独自に作成した「看護基礎教育用批判的思考態度尺度」を含む自記式質問紙調査を実施し、尺度の信頼性と妥当性の検討を行った。尺度の信頼性の検討には、Cronbachのα係数を使用した。構成概念妥当性の検討には、探索的因子分析および確認的因子分析を行った。また、基準関連妥当性の検討には、外的基準尺度として、「日本版認知欲求尺度」、「自意識尺度日本語版」を使用し、因子分析に寄与した項目間との相関係数を算出した。

〔結果〕探索的因子分析、確認的因子分析の結果、「懐疑的態度」、「協同的態度」、「根気強さ」、「探求心」、「論理的思考への自信」の5下位尺度15項目で高い適合度を示すモデルが導かれた。Cronbachのα係数は全体で0.79であった。また、外的基準尺度と看護基礎教育用批判的思考態度尺度との間には有意な正の相関が見られた。

〔考察〕本研究の結果から、作成した尺度の信頼性、妥当性が概ね確認された。本研究は尺度開発の途上段階であり、さらなる信頼性と妥当性の検討が必要である。

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© 2010 一般社団法人 日本看護学教育学会
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