植物研究雑誌
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長野県に帰化した外来のツツジ科4 種
上野勝典上野由貴枝米倉浩司
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2021 年 96 巻 1 号 p. 57-61

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抄録

長野県辰野町の標高1000 m 付近の林道わき法面において, 北アメリカ北東部に分布するツツジ科の植物3 種, ナガバハナガサシャクナゲKalmia angustifolia L. var. angustifolia,アカゲノイソツツジ(新称)Rhododendron groenlandicum (Oeder) K.Kron & Judd,アメリカスノキVaccinium angustifolium Aiton と,北アメリカ北東部を含め北半球に広く分布し,北日本にも野生するが本州中部には野生のないヤチツツジChamaedaphne calyculata (L.) Moenchが野生状態で生育しているのを発見した.同所的に北アメリカ産の外来シダ植物イワヒメワラビモドキDennstaedtia punctilobula(Michx.) T.Moore をはじめとする外来シダ植物も数種見られた.これらの北アメリカ産のツツジがまとまって野生状態で見られる理由は不明だが,おそらくこれらは外来シダと同一の起源に由来し,吹き付け等によって持ち込まれた種子から野生化したものと考えられる.

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© 2021 植物研究雑誌編集委員会
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