日本災害医学会雑誌
Online ISSN : 2434-4214
Print ISSN : 2189-4035
調査報告
建設型応急住宅の住環境整備に対するリハビリテーション専門職の介入効果の検証
佐藤 亮 坪田 朋子田代 桂一
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2022 年 27 巻 3 号 p. 188-194

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抄録

【目的】東日本大震災では被災地域高齢者の心身機能低下による要介護認定率の上昇が問題視されている。熊本県では二度の災害において、高齢者等が入居する建設型応急住宅に対して、リハビリテーション専門職を活用した初期改修による住環境整備を行った。今回はその有効性に関して検証する。【方法】行政機関のデータベース、災害支援団体などの報告書・資料などを後方視的に解析した。また2020年7月豪雨において、初期改修を行った建設型応急住宅入居者および被災市町村仮設住宅担当職員へのアンケート調査を実施した。【結果】熊本県で発生した災害による被災地域の要介護認定率の上昇はみられなかった。アンケート結果では、初期改修を行った入居者および市町村職員の満足度は概ね高かった。【結論】建設型応急住宅において、リハビリテーション専門職が早期から初期改修に係ることが、被災地域の要介護認定率の上昇を抑える要因の一つとなることが示唆された。

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