人間工学
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原著
現実の交通映像にコンピュータ・グラフィックを合成して作成した擬似的なヒヤリ・ハット映像によるハザード知覚訓練の効果
島崎 敢伊藤 輔中村 愛三品 誠石田 敏郎
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2016 年 52 巻 1 号 p. 49-58

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抄録

事故映像を用いたハザード知覚訓練は効果的であるが,事故映像は偶然にしか撮影できないため,任意の地点の映像で訓練を行えない.そこで本研究では実験参加者が通勤・通学で走行している道路で撮影した映像に交通他者のコンピュータ・グラフィックスを合成することで擬似的なヒヤリ・ハット映像を作成した.11名の実験参加者の自家用車にドライブレコーダを装着し,通勤・通学の運転行動を5往復分記録した.その後,作成したヒヤリ・ハット映像を用いたハザード知覚訓練を実施した.さらに,訓練後の通勤・通学の運転行動も5往復分記録し,訓練前後の運転行動の変化を調べた.訓練後の速度低下は観察されなかったが,訓練後は訓練前に比べて刺激映像撮影地点での交差道路に対する視認時間や視認回数が有意に増加した.

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© 2016 一般社団法人 日本人間工学会
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