1981 年 17 巻 3 号 p. 137-142
4名の男子学生に種々の強度 (0~900kgm/分) と作業時間 (4~15分) で自転車エルゴメータ作業を行わせた. 酸素摂取量と心拍数を連続測定し, 作業中と回復期の安静値以上の酸素摂取量の合計である全酸素負担, および心拍数の合計である全心負担を計算した. 全負担を作業時間で除して1分間当りの酸素負担および心負担を求めた. 作業強度が一定であれば, 作業時間にかかわらず, 1分間当りの酸素負担および心負担はほぼ一定の値を示した. 作業強度に対する1分間当りの負担の回帰は, 酸素負担では1次式に, 心負担では2次式になった.
作業時間を考慮に入れると, 安静値以上の回復期負担と1分間当りの負担との間の直線関係に基づいて, 回復期負担から1分間当りの酸素負担あるいは心負担を推定することができる. 実際の場面では, 回復期の最初の3分間における0以上の3分間回復期負担によって, 1分間当りの酸素負担および心負担を推定することが有用であると考えられる.