2016 年 26 巻 p. 45-50
日本において,フリースクールは,不登校児童,及び引きこもりの方が安心して過ごせる場として重要な役割を果たしている。本研究では,フリースクールにおける利用者の居場所や,使用状況について調査を行った。フリースクールでは,利用者は引きこもる状況から,段階的にコミュニケーションを回復していくとされるため,自分の心境にあわせて,他者と自己との距離感を自由に選ぶことのできる空間づくりが重要と考えられる。調査では,スタッフがしつらえる「一人きり空間」と利用者が身をおいた「一人きり空間」の実態を抽出した。また,利用者の居場所の時間的変化の特性を把握した。