2011 年 2011 巻 13 号 p. 107
第36回日本トキシコロジー学会(JSOT)学術年会(2009年)の「ファーマコビジランス」シンポジウムにおいて、非臨床と臨床の連携によりヒトでのリスクを低減させることを目的に、安全性上の理由から開発を終結した実例を取り上げ、本邦初の“非臨床・臨床ジョイントディスカッション”がスタートした。その発表においては、非臨床と臨床の担当者が双方のデータを十分にディスカッションし、相互理解を深めることが極めて重要であることが議論された。また、ヒトでのリスクを評価・予測するための毒性メカニズムの解明ならびにポテンシャルリスクを臨床で適切にモニターするためのバイオマーカーの重要性が指摘された。シンポジウム終了後のアンケート調査では、ジョイントディスカッションの継続、開発終結事例の情報収集・解析のシステム化及び情報の共有化などの要望が多かった。