2022 年 2022 巻 102 号 p. 3-
“都市伝説”、ニセ情報、虚報、誤報……疑わしい情報の真偽判断は、それこそジャーナリズムの一部であった。ところが、インターネットの導入で事態は激変。日々押し寄せる膨大な情報の中で、「正しい情報」と「偽情報」を見分けることが、急速に困難になっているのだ。さらに、スマホなどの端末から多くの情報が押し寄せ、真偽が不明確なまま、私たちの行動に大きな影響を与えている。不確実な情報は拡散されやすく、 意図的に偽情報や「フェイクニュース」を流すケースも増えている。身近な情報のなかで、事実を確認し、真偽を検証する「ファクトチェック」が一段と重要になったが、この問題にいち早く取り組み、NPO法人「日本ファクトチェック・イニシアチブ(FIJ)」を設立、理事長として活動を進める瀬川至朗さんに、これまでの経緯と、これからの課題を聴いた。瀬川さんは現在は大学教授だが、毎日新聞科学部長を務めた科学ジャーナリストで、JASTJの会員でもある。