発達障害児の幾人かの中に、動きのぎこちなさを伴うことがあり、彼らの歩行動作にその特徴が表れているのではないかと考え、今回独自に考案した歩行テストを小学校低学年に実施し、ビデオ撮影記録から分析を試みた。調査対象として、2校の小学校を選出し、計446名(男子231名:女子215名)の歩行を分析した。その中に13名(男子12名:女子1名)の発達障害児が在籍しており、一般児童との比較ができた。その結果、2本のライン上(長さ3 m×幅20 cm、及び長さ3 m×幅15 cm)を歩く歩行テストにおいて、自然歩行した場合は、一般児に比べライン離脱数が有意(P<0.01)に多く、リズム歩行の場合は幅15 cmのラインで離脱数が有意(P<0.05)に多かった。これらは、発達障害児の歩行動作にみられるぎこちなさによると捉えられ、発達障害児を早期発見し早期介入することのできる可能性が示唆された。