日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第7回学術集会)ワークショップ2 医療の標準化に向けて(外科編)-周術期の標準化-
当院の結腸切除クリニカルパスの現状と今後の方向性
小田切 範晃三澤 賢治森 周介中村 将人笹原 孝太郎岸本 浩史小松 誠田内 克典
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2007 年 9 巻 1 号 p. 73-74

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抄録

 当院での最近100例の結腸切除パス適用例について集計し、問題点および今後の方向性について検討を加えた。

1)結腸切除術パス

術前日投薬:ニフレック2リットル内服、H2ブロッカー眠前内服

術当日投薬:朝7時H2ブロッカー内服

除毛:麻酔導入後に電動クリッパーで必要な部位のみ除毛

抗生剤投与:CMZ 1g1日2回、2日間

胃管:麻酔導入後に挿入し麻酔覚醒後に手術場で抜去

ドレーン:閉鎖式ドレーンを挿入し術後3病日に抜去

膀胱バルーン:術後2病日に抜去

経口摂取:術後2病日水分、3病日~流動食、5病日~5分粥、7病日全粥、8病日~常食

創処置:術当日はガーゼ被覆、術後1病日にカラヤヘッシブで被覆。術後7病日に抜鉤

2)パス適用最近100例の概要

 男性61例、女性39例、平均年齢68.3±10.1歳、術後平均在院日数14.4±7.5日であった。胃管は全例術後に抜去、ドレーン抜去は術後平均3.3±0.9日、バルーン抜去は術後平均2.2±1.3日(再挿入3例)、主要な合併症は、創感染11例、腸閉塞6例、肺炎5例、縫合不全1例、ドレーン・ルート沿い感染4例であった。

3)今後の検討課題

 その後、術前からリハビリテーションの積極的介入を図ることとなった。またドレーン留置は原則中止とした。今後の検討課題としては、腸管プレパレーションの方法、術前H2ブロッカー内服の是非、食あげのスピードなど、が挙げられた。

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© 2007 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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