日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第9回学術集会)ワークショップ1 がん化学療法標準化へのシステム構築
がん化学療法クリニカルパスを“様々な面から常に”見直す
中村 久美
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2009 年 11 巻 2 号 p. 201-204

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抄録

 当院では、がん化学療法においてレジメン登録制を導入。患者に安全で、適切な投与ができるように、レジメン毎にクリニカルパス(以下パス)を作成・利用して、(現在64の、がん化学療法パスを作成・稼働)医師・看護師・薬剤師が一丸となり治療に取り組んでいる。パスを利用する中では、作成したパスが最適なのかを様々な角度から、常に見直すことが、重要である。

 実際の見直しで行ってきた事項

1)支持療法改善:患者から得た「どの時期に」「どんな症状」といった副作用データを蓄積する中で、支持療法を検討しパスに取り入れ、副作用回避に役立てた。

2)チーム内の意見を取り入れた。

3)後発薬剤採用:医師の納得を得るため、当院で先発薬剤と後発薬剤の比較を実施し、データを算出して切り替えを円滑に進めた。

 パスは作って稼働すればそれで終わりではない。常に最新の情報、バリアンス分析・検証、コスト意識などを取り入れ、患者によりよい医療を提供できるツールにしていくこと、それが本当の意味でパスを活用しているということだと考える。今後も相澤病院のがん化学療法パスを最善のものにすべく、努力したい。

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© 2009 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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