修紅短期大学紀要
Online ISSN : 2435-9696
Print ISSN : 1349-8002
農福連携事業の法人化戦略について
館山 壮一
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2022 年 42 巻 p. 13-26

詳細
抄録

 過疎集落に対する生活支援としての側面を持つ農福連携事業の運営組織体制を検討した。具体的には、 より強固な組織とすることを目的に農福連携事業の運営法人と法人化戦略について検討した。法人が有 する各々の属性(営利・非営利、利潤の配当の可否等)の観点から各種法人の特徴を法人登記等の条文に 基づいて整理し、さらに農福連携事業の特徴を導出して比較することで、運営法人として最適な法人を 検討・提案した。その結果、非営利で公益的であること、地域住民の安全安心な暮らしを保障すること、 避けられない高齢化と介護への対応の必要性等の性質から、地域組織の持続性を考慮し、社会福祉法人 に匹敵する強固な体制を志向した運営を目指すことを戦略の到達点と提案した。また、地域全体として 高齢化していくことは明白であり、在宅での介護の必要性も生じるため、将来的に地域全体として社会 事業を執り行えるような体制(高齢者自らが運営する高齢者施設等)の可能性を検討すること、そして地 域包括ケアとの融合が農福連携事業の最終的な戦略として実施されるべきと指摘した。

著者関連情報
© 2022 修紅短期大学
前の記事 次の記事
feedback
Top