2020 年 40 巻 p. 53-58
この研究では、修紅短期大学幼児教育学科の46名の学生を対象に、自分自身の幼少期における自然 体験が、自身が保育教諭となってから関わる子どもに、どのような影響を及ぼすと意識しているか調査 し、環境領域の授業においてどのような活動を重点的に教授すればよいか知見を得ることを目的として いる。調査の結果、幼少期に小動物とのふれあいや植物栽培体験を持つことで学生がその活動の大切さ を理解し、大切さを自身が内包することで、自然とのふれあいが子どもたちに「感性」や「豊かな感情」 など良いイメージを与えられると認識していることがわかった。また、小学校低学年時にアサガオの栽 培体験が共通して行われており、学生もそれを認識していたことから、保育の現場においても地域で共 通の植物栽培を体験することが様々な場面で有効に機能するのではないかと言えた。そして、これらの ことから環境領域の授業でも積極的に自然と関わる機会を増やし、実際に植物の栽培体験や科学的背景 等を重点的に教授すべきであるという知見が得られた。