整形外科と災害外科
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当院における腰椎椎間板ヘルニアに対する椎間板内酵素注入療法の短期経過
石津 研弥柳澤 義和大賀 正義
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2021 年 70 巻 3 号 p. 394-397

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抄録

2018年から保険適応となった腰椎椎間板内ヘルニアに対する椎間板内酵素注入療法の治療成績報告は未だ少ない.当院での椎間板内酵素注入療法の短期経過を報告する.症例は従来の保存的治療に抵抗性の腰椎椎間板ヘルニア患者で,術後3ヶ月以上経過観察できた6例である.平均年齢は48.5歳,男性5例女性1例,ヘルニア高位はL4/5が2例,L5/Sが4例,穿刺はいずれも患側から行った.重篤な副作用はなく,3ヶ月後のMRIでヘルニア塊の消失が1例,縮小が2例,不変が3例だった.ヘルニア内にT2高信号領域があった2例では消失もしくは縮小した.Pfirrmann分類や穿刺針先位置で有意差はなかった.観察期間が3ヶ月と短期であるが,本治療法は腰椎椎間板ヘルニアの手術回避へ向けた有用な方法であると考える.

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© 2021 西日本整形・災害外科学会
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