2017 年 66 巻 4 号 p. 792-794
【目的】当科では臼蓋形成不全股に対し寛骨臼回転骨切術(RAO)を施行している.片側施行群と両側施行群で初回手術側の比較検討を行った.【方法】対象症例は,当科でRAOを施行した症例の内,両側ともCE角20°未満及びAC角10°以上で,術前病期が初期股関節症であるものとし,片側施行群34例,両側施行群14例であった.評価は術前と術後5年経過時で行い,臨床評価はJOAスコアを用いた.画像評価は単純XP正面像にて計測した.【結果】5年経過時に進行期に移行したものは片側施行群3股,両側施行群0股であった.両側施行群は関節裂隙幅が有意に大きく,脚長差が有意に少なかった.【結論】両側施行群は,対側の形成不全の程度が片側施行群に比べ強く,早期に対側の症状が出現したものが多かった.しかし両側施行により左右均等に荷重が可能となり関節症の進行が抑えられたと考えられた.