整形外科と災害外科
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骨切り圧迫機能付き髄内釘を使用した尺骨短縮骨切り術
山下 優嗣遠藤 宏治谷田 敦岸本 勇二岡野 徹豊島 良太林原 雅子
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2013 年 62 巻 4 号 p. 856-860

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抄録

【目的】尺骨突き上げ症候群に対する尺骨短縮骨切り術において,侵襲を少なくし,早期骨癒合を得る目的で骨切り部引き寄せ機能付き髄内釘固定を行い検討した.【症例】53歳女性,63歳女性,77歳男性の3例に行った.【方法】髄内釘挿入Zigに骨切り引き寄せ機能を持つBIOMET S.T.T R Small Bone Locking Nailを使用した.髄内reaming後に遠位横止めfixatorを設置し,尺骨骨幹中央で骨切除を行い,髄内釘を挿入し遠位をfixatorで圧迫固定した.その後骨切り部を髄内釘で引き寄せ,近位を横止めネジで固定した.骨切り長は5,8,10mmであった.【結果と考察】手関節尺側部痛は術後3カ月より軽快し握力は5カ月より増加した.術直後単純X線で骨切り部にはズレや間隙があり骨癒合に1,1,2年を要した.使用した髄内釘の力学試験で,遠位fixatorは牽引力5 kgより緩み始め,骨切り部引き寄せ固定力に問題があると思われた.

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© 2013 西日本整形・災害外科学会
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