整形外科と災害外科
Online ISSN : 1349-4333
Print ISSN : 0037-1033
ISSN-L : 0037-1033
12歳以下の小児重度外傷の治療経験
井上 三四郎齊田 義和菊池 直士阿久根 広宣白尾 英仁木下 真理子田中 悦子落合 秀信宇戸 啓一
著者情報
キーワード: 重度外傷, 小児, 予後
ジャーナル フリー

2011 年 60 巻 2 号 p. 169-172

詳細
抄録

【目的】12歳以下の小児重度外傷について調査した.なお重度外傷については,便宜上New injury severity score(NISS)16以上を対象とした.【対象】対象は8人,年齢は平均5.2(0~11)歳,全例男児であった.受傷機転は交通事故5例,農耕具による事故1例,建築現場での事故1例,虐待1例であった.NISSは平均35.8(17~75)であった.院外および来院時心肺停止が1例ずつ,院外呼吸停止が1例であった.【結果】8例中4例が翌日までに死亡した.直接死因は,急性硬膜下血腫に伴う脳ヘルニア,びまん性脳損傷,後頭骨環椎脱臼,肝損傷であった.救命し得た4例では,最終調査時に,3例は装具や杖なしに学校生活や日常生活を送っていた.【考察】高エネルギー外傷の場合,骨傷のみである症例はむしろ稀であり,他科との連携を密にする必要がある.

著者関連情報
© 2011 西日本整形・災害外科学会
次の記事
feedback
Top