ベトナム北部紅河流域では,堤防の各所で浸透破壊が発生しており,破堤被害が頻発している.そのため,補強対策を行う必要がある.また,紅河流域では,稲作が盛んであり,藁などの自然由来の繊維材が低コストで入手可能なことから,自然由来の繊維材を用いた補強対策が有効であると考えられる.そこで,本研究では,自然由来の繊維材を用いた短繊維混合土の浸透破壊抵抗性を調査し,補強効果を実験的に評価することを目的とした.紅河流域における土質材料が入手困難なため,粒度組成を模擬した材料を作製し,短繊維混合および無混合の供試体の浸透破壊抵抗性の差異を実験的に調査した.その結果,砂分含有率が68%以上の土質材料では補強効果が認められた