埋め立ての終了した廃棄物最終処分場では、閉鎖時に最終カバー層が設置される。この最終カバー層に用いるキャッピング材料として、筆者らは、遮水性とガス透過性を併せ持つ多孔質シートと、多孔質シートを保護する不織布から成るジオコンポジットを開発し、その適用性を評価してきた。ジオコンポジットにおけるガス透過性と遮水性は、多孔質シートの微細な孔構造によってもたらされるため、斜面敷設時に覆土の荷重によって引張り変形が加わった場合、多孔質シートの孔構造の変化と、それに伴う遮水性の低下が懸念される。本研究では、二軸引張試験機を用いて、ジオコンポジットに幅方向拘束/長手方向引張り変形を加え、その状態での遮水性を評価した。その結果、長手方向に破断時伸び率の90%の変形を加えても、変形前の初期性能と同等の遮水性を保持できることがわかった。