日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第85回大会
セッションID: PC-058
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3.社会・文化
結末情報の付加が人生幸福度評価に及ぼす影響異なる要因配置によるDiener, Wirtz, & Oishi(2001)の追試
*藤島 喜嗣石井 萌波白石 まどか宮本 祐里
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抄録

Diener, Wirtz, & Oishi(2001)は,実験参加者に肯定シナリオもしくは否定シナリオに,ほどほどに幸せな人生数年を情報として追加するかどうかを操作して提示し,登場人物の人生を評価させた。その結果,素晴らしい人生が突然終わる場合,その後程々に幸せな人生が数年続くよりも好ましく評定し,悲惨な人生の後に数年少しだけましな年月が続く場合,悲惨な人生が突然終わるよりも好ましく評定した。本研究は,このDiener et al.(2001)の追試を行った。研究1(n=237)では,元研究では参加者内要因であった追加情報の有無を参加者間要因とした。研究2(n=188)では,元研究と同様に追加情報の有無を参加者内要因とした。その結果,研究1では支持的証拠を得られなかったが,研究2では支持的証拠を得た。要因配置の違いで追試の成否が異なったことから,ピーク・エンドの法則が成り立つためには,シナリオの対照が必要である可能性が示唆された。

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