主催: 日本心理学会第85回大会準備委員会(明星大学)大会長 境敦史
会議名: 日本心理学会第85回大会
回次: 85
開催地: 明星大学
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/08
日常生活における他者操作方略尺度(木川・今城,2020)では,構成概念妥当性の検証が課題であった。今回は他の諸概念との比較を,多次元尺度解析を用いて探索的に試みることを目的とした。Web調査会社モニターの大学生302人(男女比半々)から,①木川・今城の尺度(2020;前出),②Tactics of Manipulation(Buss, 1992),③他者操作方略尺度(寺島・小玉,2004),④機能的アサーション尺度(Mitamura, 2018)について回答を得た。Buss(1992)について探索的因子分析を行い,4因子を得た。多次元尺度解析の結果,第2象限に木川・今城の「圧力」とBussの「威圧」,第3象限に木川・今城の「策略」「率直」とBussの「論拠・直截」,第1象限と4象限の境に寺島・小玉の操作「自己優越的感情」「自己卑下的感情」「自己優越的行動」「自己卑下的行動」,三田村のアサーション「課題達成」「語用論的配慮」,Bussの「企み」「社会的比較」が位置した。次元1(横軸)は欺瞞,次元2(縦軸)は強制と解釈された。木川・今城の他者操作の独自性が示され,「率直」の新規性が確認された。