主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
2018年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳,男性が81.25歳と過去最高に達している一方,健康寿命との間には男女ともに10年程度の開きが存在する。心身の健康を良好に保ち,長寿をまっとうするためには,高齢期を迎える前からの日常的な健康行動の実践が重要な鍵となる。本研究では,日本の30から59歳の男女800名を対象としたweb調査から,健康行動(富塚・藤,2017)の性差および年代差を検討することを目的とした。その結果,健康行動(食事,運動,疾病予防,睡眠)について,男性の方が女性よりも運動習慣の得点が高く,食事の健康習慣は50代の女性で高いことが示された。年代差に着目すると,女性では食事に関する健康習慣が30・40代<50代,運動習慣が30代<40・50代と発達的変化が伺えるのに対し,男性では年代による違いは見られなかった。さらに,健康行動の実践には,「健康を気遣ってくれる人の存在」が関連すると指摘されていることから(的場,2019),発表ではそれらと健康行動との関連を示すことで,健康行動の実践に有効となる対人要因についての知見を提供したい。