日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PO-090
会議情報

15. 発達
気質と孤独
*芝﨑 良典
著者情報
キーワード: 気質, 孤独, 孤独観類型尺度
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

目的

ひととひととは分かり合えると考えているひとほど,孤独感が低い(芝崎・芝崎,2020)。一方で,生まれながの気質が,孤独感に影響を与える可能性もある。Hawkley and Cacioppo (2010) は孤独を感じやすいひとほど,警戒心が高いと考えている。警戒心の強さは,Gray (1970) のふたつの気質次元のうち,行動抑制系にあたると考えられる。私たちの孤独感は,私たちが他者と自分との関係をどのようにとらえているかといった人間観のほか,気質といった生まれながらの要因によっても影響されているのであろうか。

 

方法

調査協力者:大学生286名。

尺度:BIS/BAS尺度日本語版(高橋・山形・木島・繁枡・大野・安藤,2007),孤独観の類型判別尺度(落合,1983),孤独感尺度短縮版(Igarashi, 2004)を用いた。

 

結果と考察

全ての尺度に回答した協力者(N=208)のデータを分析した。共感可能性と個別性の理解が相互に影響しながら,行動抑制,他者との共感可能性,個別性の理解がともに直接孤独感に影響を与えているというモデルの適合度は,CFIが.94, SRMRが.06であった。生まれながらにある気質は後年つくりあげた人間観とともに孤独感に影響を与えている可能性がある。

著者関連情報
© 2020 公益社団法人 日本心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top