日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PD-102
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4. 臨床・障害
改訂版ディタッチト・マインドフルネスの心理的要素尺度の作成,および信頼性と妥当性の検討
*武井 友紀富田 望南出 歩美熊野 宏昭
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抄録

【背景】

メタ認知療法では,精神疾患の症状を緩和させる要因として,ディタッチト・マインドフルネス(DM)が提唱されている。武井他(2019)は,DMの心理的要素を測定する尺度として,ディタッチト・マインドフルネスの心理的要素尺度(CDMQ)を作成したが,十分な妥当性が示されなかった。そこで本研究では,CDMQの質問項目を改訂した改訂版CDMQを作成し,信頼性と妥当性を検討した。

【方法】

オンライン調査を実施し,18-69歳の438名(男性209名;45.20±13.66歳)のデータを分析した。改訂版CDMQの他に,DMMS (今井他,2012),認知的統制尺度(杉浦,2007),VACS (今井他,2015) を測定し,構成概念妥当性を検討した。

【結果と考察】

項目分析と探索的因子分析の結果,2因子14項目が抽出された。改訂版CDMQの各下位尺度のCronbachのα係数を算出した結果,十分な値が示された(α=.84-.87)。相関分析の結果,改訂版CDMQは,各尺度と有意な弱い-中程度の正の相関が示された(r=.23-.53)。上記の結果から,改訂版CDMQが作成され,概ね十分な内的整合性と構成概念妥当性が示された。今後は,改訂版CDMQと臨床症状の関連を検討することが望まれる。

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