日本心臓血管外科学会雑誌
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症例報告
小児肥大型閉塞性心筋症に対する中隔心筋切除術の1治験例
坂 有希子平松 祐司野間 美緒加藤 秀之池田 晃彦金本 真也阿部 正一榊原 謙
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2008 年 37 巻 4 号 p. 221-225

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抄録

6歳,男児.乳児期に肥大型閉塞性心筋症と診断され,内科的治療が継続されていた.近年,徐々に左室流出路閉塞所見が進行し,高度の心不全症状と失神発作を呈するようになった.心臓カテーテル検査では87mmHgの左室流出路圧較差を,心エコーでは僧帽弁前尖の systolic anterior motion と僧帽弁逆流を認め,中隔心筋切除術の適応と判断した.術前後および心停止中にも経食道心エコーを駆使し,大動脈弁経由で左室側心室中隔心筋切除を行った.術後に完全房室ブロックを来たし恒久的ペースメーカーの植込みを要したが,左室流出路圧較差は軽減し,心不全症状の改善を見た.

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