AUDIOLOGY JAPAN
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鳥取県における新生児聴覚スクリーニングおよび3歳児聴覚検診の有効性の検討
畠 史子長谷川 賢作玉川 友哉北野 博也
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2007 年 50 巻 2 号 p. 107-112

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抄録

鳥取大学医学部附属病院耳鼻咽喉科で行った新生児聴覚スクリーニング検査 (new-born hearing screening test: NHS) 後の精密検査33例と3歳児聴覚検診後の精密検査12例について検討した。NHSに自動OAEを使用する場合は, 1ヵ月健診まで検査回数を重ねて refer 率を減らして精密検査を行った。ABRで40dBnHL未満の閾値を正常聴力とした場合, NHSの偽陽性は自動ABRで37.5%であるのに比べて自動OAEでは50%であった。3歳児聴覚検診後の精密検査では, 4分法平均聴力40dB未満を正常聴力とすると偽陽性は50%であったが, その中にも治療対象となる中耳疾患が検出され, 精密検査例の75%に難聴または治療対象となる耳鼻咽喉科疾患が検出された。聴覚障害児の適切な検出のためには, NHSから乳幼児健診を包括するシステムを構築することが重要と考えた。

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