1999 年 42 巻 6 号 p. 710-716
1972年から1998年までの27年間に突発性難聴発症から2週間以内に名大耳鼻咽喉科を受診し, 固定時まで聴力の経過が追えた一側性突発性難聴1739人を対象として耳鳴, 耳閉感と聴力の経過との関係につき検討した。
耳鳴有は1542人 (88.7%), 耳鳴無は197人 (11.3%), 耳閉感有は833人 (47.9%), 耳閉感無は906人 (52.1%) であった。 耳鳴無の124人 (62.9%) に耳閉感があり, 全体の比率より有意に高かった。 耳鳴有の症例は耳鳴無の症例に比し初診時聴力は悪い傾向にあったが, 固定時聴力にはほとんど差は認められなかった。 耳閉感の有無は聴力回復の程度と関連を認めなかった。