2012 年 71 巻 1 号 p. 60-63
心筋梗塞後心室中隔穿孔は死亡率の高い,梗塞後合併症の 1 つといわれ,治療に難渋することが多い.術式の工夫により死亡率は近年改善してきているものの,未だ 25%と高い.症例は 81 歳の女性.呼吸困難のため他院より搬送され,心室中隔穿孔と診断し,手術施行.穿孔部を Double patch 法で修復し,さらに左室をinfarct exclusion 法で形成する方法を合わせて行うことにより,より確実なシャントの制御と心機能の温存が可能であり,良好に経過した.